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「高齢者の新聞離れ」が進む今、見直されるシニアマーケティングとポスティングの可能性

マーケティング
by adworld
「高齢者の新聞離れ」が進む今、見直されるシニアマーケティングとポスティングの可能性

「高齢者層へのアプローチなら、やはり新聞折込チラシが一番だ」

企業のマーケティング担当者や経営者の間で、これは長らく揺るぎない「常識」とされてきました。

スマートフォンの普及が始まった2010年時点ではすでに「若者の新聞離れ」がささやかれていましたが、現代ではそれが当たり前となり、改めて口にされることも少なくなりました。 しかし今、その「若者の新聞離れ」の水準に、60代の高齢者層までもが足を踏み入れようとしているのです。

データが示す「高齢者のほうが新聞を読まなくなった」という事実

新聞通信調査会の調査デーでは、月極めの新聞購読率が、60代の方で65.3%であるとの結果が公表されました。
これは2010年の20代の数値(69.4%)よりも低い割合となっています。

ここでお伝えする内容は、多くのマーケティング担当者が抱いている「シニア層=新聞読者」というイメージを根底から覆すものとなります。

公益財団法人新聞通信調査会が毎年実施している「メディアに関する全国世論調査」は、国内のメディア利用実態を知る上で最も信頼性の高い情報源の一つです。
その最新の調査(2024年調査)によると、月極めで新聞を購読している人の割合は、衝撃的な水準まで低下しています。

  • 70歳以上:76.7%
  • 60代:65.3%

この数字を見て、どう思われるでしょうか。
一見すると「まだ3人に2人は読んでいるのか」と感じるかもしれません。
事実、2025年現時点では新聞(記事広告や折込広告)は60歳以上へ届けることに強いセグメントを有する優良な媒体です。

しかし、重要なのはその傾向で、14年前の2010年調査では、70歳以上の購読率は93.6%、60代は93.4%でした。
この15年で、実に20~30ポイント前後の急激な低下を見せているのです。
特に注目すべきは50代では47.5%と半数を下回った点で、これは近い将来「シニア層の半数以上には、新聞折込チラシは届かない」ということを意味しています。

これまでシニアマーケティングの王道とされてきた新聞折込チラシが、すでにその世代の大半へアプローチできなくなっています。

この「60代で65.3%」という数字が持つ衝撃をより深く理解するために、少し視点を変えてみましょう。
今から約15年前、盛んに「若者の新聞離れ」が叫ばれていた頃のデータと比較してみます。

2010年の同調査によると、当時の20代の新聞購読率は69.4%でした。
現在の60代の購読率(65.3%)は、15年ほど前の20代の購読率以下の水準まで落ち込んでいます。

言い換えれば、現在の60代は、ほんの少し前の「新聞を読まない若者世代」とほぼ同じレベルでしか新聞を購読していない、ということになります。

この事実は、「若者はWeb、シニアは新聞」という単純な空想を完全に時代遅れにさせ、シニアマーケティング戦略の前提を根本から見直す必要があることを示唆しています。

では、なぜこれほどまでに高齢者の新聞離れが加速しているのでしょうか。その背景には、複合的な要因が存在します。

  1. 情報源の圧倒的な多様化
    そもそも、シニア層のインターネット利用率は年々上昇しており、特にスマートフォンやタブレットの普及が大きく影響しています。
    ニュースは無料のニュースアプリやポータルサイトで読む、地域の情報は自治体のサイトやSNSで確認するなど、新聞に頼らずとも情報を得る手段が豊富になりました。
    Webは若者だけの話ではなく、アクティブなシニア層にも確実に浸透しています。
     
  2. ライフスタイルの変化と経済的負担
    現役時代と比べてシニア世代は収入が伸びにくい一方で毎月数千円の新聞購読料は決して小さな負担ではありません。
    「そこまでして得るべき情報がない」と判断し、購読を中止するケースが増えています。
    また、旅行や趣味など、よりアクティブなライフスタイルを送るシニア層が増え、毎朝ゆっくり新聞を読むという習慣自体が過去のものとなりつつあります。
     
  3. コンテンツへの価値観の変化
    全国一律で報じられるマクロなニュースよりも、「自分の生活に直結する、よりパーソナルな情報」を求める傾向が強まっています。
    例えば、近所のスーパーの特売情報、地域のイベント、趣味のサークルの仲間募集といった情報は、新聞よりもむしろ他のメディアの方が見つけやすい場合があります。
    新聞が提供する情報と、読者が求める情報の間にギャップが生まれているのです。

「高齢者の新聞離れ」で新聞折込に依存するリスク

「高齢者の新聞離れ」という無視できない現実を踏まえたとき、従来通り新聞折込チラシに依存したマーケティングを続けることには、具体的にどのようなリスクが伴うのでしょうか。

深刻なのは、機会損失です。
新聞を購読しなくなったシニア層とは、どのような人々でしょうか。
スマートフォンを使いこなし、自ら情報を積極的に取りに行く、比較的アクティブで購買意欲も高い層である可能性が十分に考えられます。

新聞折込に固執するということは、こうした最もアプローチしたいはずの「元気でアクティブなシニア層」を、自らマーケティングの対象外にしてしまっていることと同義です。
彼らは、あなたの競合他社が提供するWebサイトやSNSの情報には触れられているかもしれません。
気づかぬうちに、最も価値のある顧客層をみすみす逃している危険性があるのです。

「では、新聞がダメならWeb広告に全振りすればいいのか」と考えるのは早計です。

確かにシニア層のWeb利用率は上がっていますが、それでも70代、80代と年齢が上がるにつれて利用率は低下します。
また、インターネットを利用していても、広告をブロックする、あるいは広告自体を意図的に無視するなど、Web広告が必ずしも有効に機能するとは限りません。

結果として、「新聞は読まないが、Webもあまり見ない」あるいは「Web広告には反応しない」という、中間の層、いわば「リーチのスキマ」が生まれてしまいます。

このスキマを埋める手段を考えなければ、シニア市場全体をカバーすることはできません。

シニアマーケティングの「リーチのスキマ」を埋めるポスティングの可能性

私はポスティング会社の人間ですので、ポスティングについても触れさせていただきます。

新聞折込の効果が薄れ、かといってデジタルだけではカバーしきれない。
この課題を解決する有効な手段として、今あらためて価値が見直されているのがポスティングです。
ここでは、その可能性を控えめながらも解説します。

ポスティングの最大の強みは、その網羅性です。
指定したエリアのポストに直接チラシを投函するため、ターゲットが新聞を購読しているかどうかは一切関係ありません。

これにより、新聞折込ではアプローチできなかった「新聞を読んでいない高齢者」へ、情報を確実に届けることができます。
コストパフォーマンスの悪化や機会損失といった、新聞折込が抱える根本的な問題を解決できます。

デジタル情報が画面の中で一瞬で消費されてしまうのに対し、チラシは「モノ」として手元に残ります。
すぐに興味を持たれなくても、テーブルの上などに置いておくことで、後から家族の目に触れたり、本人がふとした瞬間に見返したりする可能性があります。

特に高齢者にとっては、自分のペースでじっくりと読み返し、電話番号を控えたり、地図を確認したりできる物理的なチラシは、デジタル情報にはない安心感と利便性を提供します。
この「生活に寄り添う」価値が、デジタル時代だからこそ際立つのです。

弊社で展開していたサービスチラシの例ですが、2~3年たっても当時のチラシから反響の電話が続いており、その大半が高齢者世帯であることからも「手元に残るメディア」としての価値は今後とも残り続けるのだろうと思います。

「脱・新聞折込」時代のシニア向けポスティング成功事例

新聞折込からポスティングへと戦略を切り替えることで、成果を上げている企業はすでに数多く存在します。ここでは、弊社で扱った代表的な2つの事例を紹介します。

ある地域密着型のリフォーム会社は、長年新聞折込を中心に集客していましたが、年々反響が鈍化していた中でアドワールドへ依頼がありました。

商圏内の特定エリアにターゲットを絞り、看板広告とポスティングに切り替えました。
「屋根・外壁の無料診断」をフックにしたチラシを全戸に配布したところ、これまで全く反応のなかった世帯からの問い合わせが急増。

反響などを先方から伺ったところ、ちょうど60代の夫婦からの大型案件に繋がりました。夫婦は「そろそろと思っていたが、どこに頼めばいいか分からなかった。
ポストに直接チラシが入っていたので、信頼できそうだと感じた」と語ったそうです。
これは、新聞折込では決して出会えなかった顧客層を発掘した典型的な成功例です。

ある健康食品メーカーは、Web広告を主軸にしていましたが、一定以上の年齢層にリーチできないという課題を抱えていました。
そこで、高齢者居住率が高いエリアに限定してポスティングを実施。
チラシ自体をA4からB4へサイズを大きくしながら文字数などは大きく変更せず、大きな文字、わかりやすいイメージ図の導入に加え、愛用者の顔写真付きの体験談や、開発者のメッセージを詳細に掲載し、「高齢者にも優しいチラシ」を徹底的に訴求しました。

その結果、Webサイトへのアクセスがほとんどない70代後半~80代の層から、フリーダイヤル経由での注文が殺到。デジタル施策だけでは決して埋めることのできなかった「リーチの穴」を、ポスティングが見事に埋めた事例と言えます。

まとめ:これからのシニアマーケティングに不可欠な視点

この記事の最も重要なメッセージを、改めてお伝えします。

  • 「シニア層=新聞読者」という常識は近い将来崩壊するかもしれない。
    特に60代の購読率は7割を切り、近い将来、新聞折込はもはやマジョリティまで届かない。
     
  • 新聞折込に依存し続けることは、コストパフォーマンスの悪化と、優良顧客の取りこぼしという二重のリスクを抱えることになる。
     
  • 時代の変化に対応し、新聞購読の有無を問わないポスティングのような網羅的なアプローチを取り入れることが、これからのシニアマーケティングの鍵となる。

あなたの会社のメッセージは、本当に届けたい人に届いていますか?
ぜひこの機会に、足元から見直してみてはいかがでしょうか。

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