地域密着型のビジネスにとって、ポスティングは非常に強力なマーケティング手法です。
しかし、その一方で多くの担当者様が頭を悩ませるのが「クレーム」のリスクではないでしょうか。
「クレーム対応に追われて、本来の業務が止まってしまったらどうしよう…」
「たった1枚のチラシで、会社の評判を損なうことになったら…」
このような不安から、ポスティングの実施に踏み切れないお客様の声は少なくありません。
ですが、ご安心ください。ポスティングのクレームは、その原因とパターンを正しく理解し、適切な対策を講じることで、そのリスクを最小限に抑えることが可能です。
今回は、ポスティングで起こりがちなクレームの具体的な事例から、発生してしまった際の対処法、そして最も重要な「クレームを未然に防ぐための予防策」までを解説します。
よくあるポスティングのクレームと原因
ポスティングに関するクレームは、いくつかのパターンに分類できます。
【1】チラシのデザイン・内容に関するクレーム
最も直接的で、企業のブランドイメージに直結するのが、チラシそのものに対するクレームです。受け取った住民が不快感や不信感を抱くことで発生します。
意図せずとも、見る人によっては差別的・扇動的と受け取れる表現や、過度に露出の多いイラスト、不安を煽るようなキャッチコピーは不快な表現としてクレームの対象となります。
また、「絶対に儲かる」「100%痩せる」といった効果を保証する表現や、事実と異なるサービス内容は、景品表示法の観点からも問題があり、深刻なクレームに発展する恐れがあります。
税込み価格が表記されていない、なども消費者の不信感につながる一因となるため気を付ける必要があります。
【2】チラシの配布方法に関するクレーム
チラシの内容自体に問題がなくても、その「配り方」が原因でクレームになるケースは非常に多く、ポスティング業者の質が問われる部分でもあります。
- 「チラシお断り」表示の無視
住民の意思を軽視する行為と受け取られます。ポストや玄関に貼られた「チラシ・勧誘印刷物投函禁止」といったステッカーを見落とす、あるいは意図的に無視して投函することで発生します。
- ポストや郵便物の破損
チラシを無理やりポストに詰め込み、投函口やポスト自体を破損させてしまうケースです。敷地内の植物に触れてしまって鉢植えを壊してしまう、なども想定されます。
- チラシの放置
故意でなくとも集合住宅の共用ポストやエントランスにチラシを放置する行為は、住民全体の迷惑となり、クレームへつながります。
- 私有地への無断立ち入り
配布効率を優先するあまり、マンションの敷地内や一戸建ての庭先など、明らかに私有地と分かる場所に無断で立ち入る行為は、住民に強い不安と不快感を与えることとなります。
- 早朝・深夜帯での配布
「朝早く、ポストに何かを投函する音で目が覚めた」「深夜に家の前で物音がして不審に思った」といったクレームです。特にバイクの音や、集合住宅でポストのフタが連続して開閉する音は響きやすく、クレームの原因となる場合があります。
一般的に、夜20時から朝8時頃までの配布は避けるべきとされています。
【3】配布スタッフの行動・態度に関するクレーム
配布スタッフのモラルやマナーが低い場合、その行動自体がクレームの原因となります。
配布中に住民と遭遇した際の挨拶がない、会釈をしない、といった態度はもちろん、服装などでクレームが発生する場合があります。
「チラシを入れないで」と直接注意された際に、不貞腐れた態度を取ったり、言い返したりする行為も、クレームに直結します。
ポスティングクレーム対応ステップ【発生時に慌てないための手順】
どれだけ注意深く予防策を講じていても、クレームの発生を100%ゼロにすることは困難です。
重要なのは、万が一クレームが発生してしまった際に、いかに迅速かつ誠実に対応できるかどうかであり、迅速な初期対応が、企業の信頼を左右します。
ここでは、対処するための3つのステップをご紹介します。
ステップ1:迅速な初期対応と真摯な謝罪
クレームの連絡を受けたら、まず何よりも優先すべきは「謝罪」です。
相手は不快な思いをし、わざわざ時間を使って連絡を行っています。その気持ちを理解し、真摯な姿勢で謝罪の意を伝えることが、対話の第一歩となります。
「配布スタッフが新人だったもので」
「弊社も業者に委託しておりまして」
といった言い訳は、火に油を注ぐだけです。
まずは、「ご不快な思いをさせてしまい、大変申し訳ございません」と、非を認め、ストレートに謝罪します。
その上で「ご迷惑をおかけしたとのこと、誠に申し訳ございません。よろしければ、どのような状況だったか詳しくお聞かせいただけますでしょうか」と、相手の言い分を真摯に聞く姿勢を見せることが重要となります。
ステップ2:丁寧なヒアリングによる状況・事実確認
謝罪後に「事実確認」を行い、状況を整理しましょう。
確認すべき項目
- 発生日時(いつチラシが投函されたか)
- 発生場所(住所、マンション名・可能であれば部屋番号など)
- クレームの原因(チラシの内容、配布方法、時間帯、スタッフの態度など、何が問題だったか)
- 具体的な状況(ポストが壊れた、郵便物が濡れたなど、具体的な被害の有無)
- お客様のお名前と連絡先
ステップ3:具体的な解決策と再発防止策の提示
事実確認ができたら、その内容に基づいて具体的な解決策と、今後の再発防止策を提示します。
相手が求めているのは、謝罪の言葉だけでなく、「今後、二度と同じことを起こさない」という約束と安心です。
注意点:クレーマーの理不尽な要求への毅然とした対応
こちらが対応するべきお叱りである”クレーム”と自身の要望をかなえたいだけの”クレーマー”は似て非なるものになります。
謝罪や解決策の提示だけでは収まらず、こちらが破損してしまったものの実費を超える金銭などを要求してくる悪質なケースに関しては毅然と対応する必要があります。
誠実に対応すべき「お叱り」と、毅然と対応すべき「理不尽な要求」を見極めることが、クレーム対応において注意するべき点となります。
ポスティングのクレームを未然に防ぐ!明日からできる7つの予防策
クレームは、発生してからの対応よりも、発生させないための「予防」が何倍も重要です。
ここでは、クレームリスクを最小限に抑えるために、明日からでも実践できる7つの予防策をご紹介します。
【対策1】景品表示法も意識したチラシ内容のチェック
チラシを通して初めて接点を持つお客様にとって、チラシは会社の顔になりえます。
誰が見ても不快に思わないか、誤解を招く表現はないか、客観的な視点で厳しくチェックが必要です。
特に「No.1」「日本一」といった最上級表現や、効果を保証するような表現は、客観的な情報源がない場合、景品表示法に抵触する恐れがあるので事前に十分に確認しておくことが望ましいです。
【対策2】配布禁止リストの作成
一度でもクレームのあったお宅や、「チラシ不要」の意思表示があったお宅は、速やかに「配布禁止リスト」に登録し、二度と投函しない体制を構築します。
【対策3】明確な配布ルールの策定と共有
「何となく気をつけて配る」では不十分です。
実際に発生したクレーム事例を交えた誰が見ても分かる具体的な配布マニュアルを作成し、配布スタッフ全員にいきわたるよう、共有を行い、配布の意識を徹底させましょう。
【対策4】業者との詳細な事前打ち合わせ
配布業者に依頼する際は配布前に詳細な打ち合わせを行います。
配布エリアやターゲット層の共有はもちろん、自社で作成した配布禁止リストの共有や、クレームにつながりそうな注意物件(過去のトラブル事例など)の情報をすり合わせることが重要です。
万が一クレームが発生した場合、「誰が(自社か、業者か)」「どこまで」対応するのか、責任の所在と具体的な対応フローを事前に取り決めておきましょう。
一次対応は誰が電話を受けるのか、訪問謝罪が必要な場合は誰が行くのかなどを明確にしておくことで、いざという時にスムーズに対応できます。
【対策5】配布スタッフへのマナー・コンプライアンス研修
配布スタッフは「企業の顔」として見られます。業者に委託する場合でも、配布スタッフがどのような研修を受けているのかを確認しましょう。
挨拶の徹底、身だしなみ、クレーム事例の共有など、定期的な研修を通じてスタッフの意識と質を高める取り組みが委託先の企業で行われているかの確認が必要です。
【対策6】GPSなどを活用した配布状況の管理
ポスティング業者の多くは、配布スタッフにGPS端末を携帯させ、リアルタイムで配布状況を管理しています。
これにより、万が一クレームが発生した際に、いつ誰がそのエリアを配布したかを正確に特定できます。
【対策7】住民の方への配慮とコミュニケーション
配布スタッフが住民の方とすれ違った際に、「こんにちは」と明るく挨拶をするだけでも、企業の印象は大きく変わります。
挨拶は「地域の役に立つ情報を届けに来た人」として認識してもらうための、地道ですが効果的なコミュニケーションです。
アドワールドのポスティングクレーム対策事例と強み
過去にクレームが起こってしまったり、配布を控えることをお約束した「配布注意リスト」を作成しております。
全国47都道府県で12,000件以上の事例を保管しており、配布するエリアに対象物件がある場合は毎朝、配布前に確認を必ず行う体制を構築しております。
さらにアドワールドではスタッフを直接雇用し、同行してスタッフ教育を行っております。
マナーの低下によるクレームの発生を抑えるべく入社時の研修はもちろんOJTによる配布研修を随時行っております。
アドワールドでは配布時間を9時から18時としているため、早朝や夜間時の配布クレームは発生しません。
また、お客様にクレームで業務が止まってしまう不安への取り組みとして、第一対応を自社で行う「お客様対応専用コールセンター」を開設いたしました。
チラシ内に「チラシ配布に関するお問い合わせはこちら」と電話番号を記載し、第一対応を弊社のお客様対応専用のコールセンターにて受電することも可能です。
結果、クレーム率0.0001%という高精度でチラシポスティングを行っております。
それでも発生してしまったお叱りに関してはクライアント様から連絡を受けた以降の対応はチラシの回収から謝罪、解決まですべてアドワールドにて行います。
【アドワールドの強み】

まとめ:トラブルを未然に防ぎ、効果的なポスティングを
ポスティングは、デジタル広告にはない、地域住民との直接的な接点を作ることができる非常に有効な販促手段です。
しかし、そのよい効果は「丁寧で誠実な配布」の上に成り立っています。
解説してきたクレーム対策は、一見すると手間がかかるように思えるかもしれません。
しかし、これらは単なるリスク回避策ではなく、地域社会からの信頼を獲得し、企業のブランド価値を守るための重要なポイントでもあります。
クレームの原因を理解し、適切な予防策と対応フローを準備することで、ポスティングはあなたのビジネスを力強く後押ししてくれる強力な販促ツールとなるはずです。
ぜひ万全の体制を整え、効果的なポスティングに挑戦してみてください。
アドワールドでは、「ただ配るだけでなく、店主の祈りをお届けします」をモットーとしてお客様に納得していただけるようサービスの品質にこだわり、ポスティングのメリットを最大限に活かせるよう、スタッフへの教育も丁寧に行っています。
ポスティングを初めての方へ向けた資料も無料配布しております。ぜひDLしてご活用くださいませ。





